No Purpose

If I must say, it's for me.

自作キーボード入門した

状況です

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Mint60作ったぞ

かわいい...。しかもまだキートップの面で伸びしろがあるんだぜ...。

ここまでのあらすじ

Apple純正からHHKBへ

現職に2015年に入社して初めてUS配列のMacを手に入れた。 しばらくは内蔵キーボード/Apple純正キーボードを使っていたのだけど、そのうちHHKBが気になるようになった。 で、そのタイミングで友人が安くHHKBを譲ってくださると言うので思わず手を上げた。 ツイート探したら2016年12月だった。

HHKBは今でも大好きなキーボードで、オフィスではこのとき譲ってもらったもの使っていて、家ではBluetoothのHHKBを買い足して使っていた。

分離型キーボードへの憧れ

現職入社のタイミングで「その方がかっこいいから」という理由でUS配列を選ぶあたりでお察しなんだけど、基本的にミーハーであることを自覚している...。

というわけで、数年前から左右分離型キーボードが流行り始めたタイミングでは、HHKBに不満はないながらも、ちょっと気になる存在になっていた。 ただそのときは、同僚にErgoDoxなど使わせてもらったものの、格子配列のキー配置になじめず導入は見送っていた。

そんな中、mistelのBaroccoシリーズを知る。 格子配列でない(このときは「row-staggered」なんて言葉を知らなかった)HHKBライクなデザインで、分離型。かっこいい。 特にMD650Lの渋いデザインがすごく気になっていた。

ただ、欲しい物の優先順位考えて、しばらく見送られる存在ではあった。

見送りつつ、気になってる存在。当然、友人が使っていると気になってしまう。

そして沼へ

で、上のツイートのやり取りの中で「軸」の話になるんだけど、僕の「どの軸がどういうキータッチか...という感覚がない」ことに対してこんな指摘が入ったのだった。

ただ、このときはまだ「遊舎工房」の名前は聞いたことがあったものの「キーボードを自作したい」とまでは思えていなかった。 あんまり言語化された理由はなかったように思うんだけど、社内の自作キーボード部の人たちがだいたい格子配列のキーボードを作っていて「自作キーボード = 格子配列」っていう図式がいつのまにか脳内にあったからかもしれない。

というわけで、勢い余ってこんなツイートをしてしまった。

そこで教えてもらったのがMint60だった。(しかもお二人に教えてもらった)

これは...完全に好みだぞ...。もう引き返せない...。(という自分に対しての納得感形成)

ただ、自分は学校の「技術」の科目などでもはんだごてを使った経験もなかったので、とりあえず遊舎工房でmeishiキットを買ってみて、「自分が自作キーボードという行為を楽しめるか」という確認を兼ねる練習をしてみることにしたのだった。

meishi

Q: 自分が自作キーボードという行為を楽しめるか

A: めちゃくちゃ楽しめた

作成にあたっては、職場の自作キーボード部に感謝するところも大きくて、はんだごて/コテ台/はんだ線/マスキングテープ/ニッパー/作業マット等々、めちゃくちゃ器具が揃ってたので、キット買いたての一番テンション高い状態から特に追加投資の手間などもなく、スルッと沼に入っていくことができた。

キーは左から「画面ロック・前の曲・再生/停止・次の曲」に割り当てた。 これは「オフィスで、トイレに行こうと立ち上がったあとに、画面ロックして曲停止する」みたいなユースケースにおいて普通にめちゃくちゃ便利だった。

meishiのキー配列↓

https://github.com/highwide/qmk_firmware/blob/highwide-settings/keyboards/meishi/keymaps/default/keymap.c#L20

あとは、初めてやったはんだ付けも普通に楽しくて、下手なんだけどまたもっとやりたいなーっていう思いを抱くようになった。

Mint60

というわけで、meishiを作り終えて早々に、当初の目的だったMint60に手を出してしまったのだった。

キースイッチはGateronの静音赤軸を修飾キーに、静音茶軸を文字キーに使うことにした。 キーキャップは遊舎工房の人には「Tai-Haoを想定して作られてる」と教えてもらったのだが、「せっかくなら自分なりのこだわりを見せたい」という初心者のくせに厄介なこじらせを見せて、一番文字の印字がかっこよく見えた「MDA Big Bang」を選んだ。

※ あとから、自作キーボード界隈の人が集うDiscordで「Big BangはErgodox系統向けのセットなので、ANSIよりのMint60だとそういうやつ向けのBig Boneのほうがよかったかもしれません」といったことも教えてもらった(善意で教えてくださったものの、「内訳は見ていない」とのことで要確認だとは思う)

で、昨夜作り終えて、冒頭の状況に至る。

失敗したところ

めちゃくちゃ気に入ってるんだけど、やっぱり自作初心者ということもあって、失敗した点はいくつもある。

  • キーキャップの配置。左手小指は当然Capslockなんて使わないのにちょうどいいキーがなくて代用してたり、キーキャップの規格がわかってなくて遊舎で買い足したパステルカラーのキーは高さが違ったり、右側の最下段の親指キーに至っては長さが足りなかったり。
    • とはいえ、これは買い足せばなんとでもなるかな。(と言って、また沼にズブズブと...)
  • ProMicroの"モゲ"防止にエポキシ接着剤を使ったんだけど、液の混合比率をミスって、イマイチ固まらないままはんだ付けしてしまった...。
  • ネジ止めしてから、はんだ付けし忘れてるキースイッチにいくつも気づいた。会社のキーボード部にはテスターもあったから、ちゃんと使い方覚えて、早い段階で確認していけばよかったな。
  • 作り方の説明にも注意が書いてあったけど、LEDに基板側の端子が接触してショートしてた。(しかもケースに入れないと再現しなくて苦戦した)
    • てか、LEDの保護テープ外すと接着面がでてきたけど、あれは保護テープ外さなくてよかったんだろうな。

とはいえ、学びを得つつ、最終的にはきちんと実用に耐えそうなものができた(気がする)ので、初めてのフルキーボード制作としては個人的には大満足している。

こだわり

静音

キースイッチを静音のものにしただけでなく、遊舎の店員さんに教えてもらったOリングというものを導入した。

これをキーキャップにはめこんでからキースイッチに挿すことで、打鍵におけるキーがよりマイルドになる。 あれこれキースイッチを試してるうちに、自分は青軸のカチャカチャみたいな感じがそんなに好きじゃないことがわかってきたので、いっそのこと静音に振り切ることにした。

キーマップ

これは正直うまくいくかわかんないんだけど、いま時点のこだわりとして。

自分は前職にいたときの「ソフトウェアエンジニア仕草なんもわからん」みたいな時分に教えてもらった「シェルでは矢印やEnterやTabキーを使うな。Ctrl + 文字キーでなんでもできるぞ!」という考えに影響を受けてしまっていて、C-f/n/b/pやC-a/eでカーソル移動して、C-[でesc、C-iでtab、C-h/u/k/wで文字削除して...みたいなキー入力をしている。

で、MacOS使ってる限り、だいたいのソフトウェアで問題ないんだけど、たまにユーザーの「Ctrl + キー」を自らのプロダクト専用のショートカットキーとして奪っている不埒なサービスがあって(会社で使ってるServer版のJIRAとか)、そういうわけでKarabiner-elementsの「Emacs key bindings」をインストールしていた。

で、自作キーボードならもっとハードウェア寄りのところでキーマップ設定ができるんだしと思い、普段Ctrlを打っている左手小指の修飾キーを「限りなくCtrlに近いレイヤ切り替えキー」として設定し、そのレイヤでは「Ctrl + f」の感覚で「→」が入力される...といったキーマップを書いてみた。(これならC-fとして入力されるのではなく「→」として入力されてるので、諸々のソフトウェアは奪えないはず、という判断)

https://github.com/highwide/qmk_firmware/blob/highwide-settings/keyboards/mint60/keymaps/highwide/keymap.c

まぁ、正直あれこれ試しながらブラッシュアップすることになると思うので、これはひとまずいま時点の考えを残しておくくらいの意味しかないかもしれない。

いずれにせよ、早く慣れるほど使いこなしたい。

というわけで

Mint60は主に会社で使っていきたいと思っている。

会社と家でキーボードが変わることによるコンテキストスイッチが今から心配。(そして、それを言い訳にしてもう1基買っちゃうんじゃないかというのも心配)

これ読んでくれた人も自キー沼にハマっていこう。